ペットフードを販売するための届出と注意点

ペット法務

ペットフードを販売する際には、消費者に安全で品質の良い製品を提供するために、いくつかの手続きが必要です。ペットフードは人間の食品とは異なる基準で規制されていますが、それでも一定の基準を満たす必要があります。以下の手順を参考にして、ペットフードの販売に関する申請手続きを進めていきましょう。

1. 事業の登録と法人設立

ペットフードを販売する事業を行うには、まず事業形態(法人または個人事業主)を決定し、必要な登録を行います。

  • 個人事業主の場合:税務署に開業届を提出し、必要に応じて青色申告の申請を行います。
  • 法人の場合:株式会社や合同会社(LLC)など、法人登記を行い、設立手続きを進めます。

2. ペットフードに関する法律・規制の理解

ペットフードは、人間の食品とは異なる規制が設けられています。日本におけるペットフード(犬及び猫)に関する主な法律や規制は以下のとおりです。

  • ペットフード安全法:ペットフードの品質や安全性を確保するために、ペットフードの製造や販売に関する基準を定めた法律です。この法律に基づき、製造者や販売者は一定の義務を負います。
  • JAS法(日本農林規格法):ペットフードにも適用される規格があり、特に「有機ペットフード」などにはJAS規格に基づく認証が必要です。
  • 消費者庁:ペットフードが誤解を招くような表示(例:栄養成分や効能など)を避けるため、消費者庁が管轄する消費者保護の観点も関わります。

3. 愛玩用動物飼料業者届の届出

販売用ペットフードの製造又は輸入を行う場合、事前に農林水産大臣及び環境大臣に届出が必要となります。どのような場合に届出が必要になるのかの判断については次項をご覧ください。なお、同一の事業者が、製造と輸入の両方を行う場合は、それぞれに届出が必要となります。

届出事項については以下のとおりです。

①氏名及び住所 (法人の場合は、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

➁製造業者の場合は、当該愛がん動物用飼料を製造する事業場の名称及び所在地

③販売業務を行う事業場及び当該愛がん動物用飼料を保管する施設の所在地

④製造又は輸入に係る愛がん動物用飼料が使用される愛がん動物の種類

⑤当該愛がん動物用飼料の製造又は輸入の開始年月日

⑥輸出用として製造又は輸入する愛がん動物用飼料については、その旨

4. 届出が必要な業者の例

<製造業の届出が必要な業者の例>

  • 原材料を自ら購入し、加工して、販売用に包装を行う業者
  • 他の製造業者が製造した複数のペットフードを混合し、販売用に包装を行う業者
  • 他の業者から委託製造を行う業者
  • 人用の食品から販売用ペットフードを製造する業者
  • 製造・輸入されたペットフードを小容量製品にするために開封し、再度包装作業を行う業者
  • キッチンカーや屋台でペットフードを製造し、販売する業者
  • 全量輸出するために販売用ペットフードを製造する業者

<輸入業の届出が必要な業者の例>

  • 国内で販売するために、海外の自社工場で製造されたペットフードを輸入する業者(=貨物の輸入者となる業者)
  • 海外で製造や販売をされているペットフードを輸入する業者
  • 全量輸出するために販売用ペットフードを輸入する業者

判断が難しい場合には、お気軽に弊所までお問い合わせください。

5. 原材料・製品の表示義務

販売するペットフードには、製品のラベルに記載するべき情報があります。以下の点をしっかりと表示することが義務付けられています。

  • 原材料名:使用した原材料を詳細に記載
  • 成分表示:たんぱく質、脂肪、粗繊維、灰分など、栄養成分の割合を記載
  • 賞味期限や消費期限:食品としての品質を保証するために、期限を明示
  • 製造者または販売者名:会社名や所在地、連絡先など
  • 使用方法や給与量:ペットフードの適正な使用方法や給与量を記載

6. 動物用医薬品の規制

ペットフードの中には、ペットの健康をサポートするために使用される成分が含まれることもありますが、その成分が動物用医薬品に該当する場合、別途動物用医薬品の規制が適用されます。ペットフードに医薬品や治療目的の成分を含む場合、農林水産省や厚生労働省の規制に従い、販売許可を取得する必要があります。

7. 広告や販売促進の規制

ペットフードに関する広告販売促進についても規制があります。誤解を招くような効能表示(例えば「このフードを与えると病気が治る」といった表現)は禁止されています。広告や販売促進を行う際には、消費者庁の規制を遵守し、虚偽や誇張表現を避ける必要があります。

まとめ

ペットフードを販売するためには、事業者登録や製品の表示義務、安全な製造・販売体制を整えることが必要です。また、製品が安全で消費者に信頼されるものであることを確保するために、品質管理や法律遵守を徹底しましょう。開業前に必要な手続きや規制をよく確認し、ペットフードの品質や安全性に責任を持って販売を行うことが重要です。