離婚時の年金分割とは?手続きの流れと必要書類を徹底解説

離婚・男女問題

離婚を考えている方や離婚手続き中の方にとって、財産分与は大きな関心事の一つではないでしょうか。特に「年金分割」については、多くの方が「聞いたことはあるけれど、よく分からない」と感じているのではないかと思います。

この記事では、離婚時の年金分割について、その仕組みから具体的な手続き方法、必要書類まで、分かりやすく解説します。将来の生活設計に大きく関わる年金分割について、正しい知識を身につけましょう。

年金分割とは?基本的な仕組みを理解しよう

年金分割制度は、結婚期間中に夫婦が協力して築いた年金受給権を、離婚時に公平に分け合うための制度です。

特に専業主婦(主夫)だった方や、パートタイムで働いていた方にとっては、将来の年金額に大きく影響する重要な制度といえます。

年金分割の種類

年金分割には大きく分けて2種類あります。

  1. 合意分割制度:当事者間の合意や裁判所の決定に基づいて分割割合を決める制度
  2. 3号分割制度:第3号被保険者(専業主婦など)のための特例的な分割制度

それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。

合意分割制度の仕組みと特徴

合意分割の対象となるのは、婚姻期間中に夫婦それぞれが厚生年金保険や共済年金に加入していた期間の保険料納付記録(標準報酬)です。

国民年金(基礎年金)は分割の対象外となります。

分割割合の決め方

合意分割制度では、分割割合を当事者間の合意で自由に決めることができます。ただし、上限は50%までとなっています。

例えば

  • 夫婦の合意により「妻の厚生年金記録を30%夫に分割する」
  • 「夫の厚生年金記録を50%妻に分割する」

といった形で分割割合を決めることができます。

合意ができない場合は、家庭裁判所に調停や審判を申し立てることになります。

3号分割制度の特徴と対象者

この制度は、第3号被保険者(主に厚生年金加入者の被扶養配偶者)だった期間がある方を対象としています。

具体的には、会社員や公務員の配偶者の扶養に入っていた人となります。

3号分割制度の大きな特徴は、当事者の合意がなくても、請求するだけで自動的に分割される点です。

分割割合は一律「2分の1」と法律で定められており、変更することはできません。婚姻期間中に第3号被保険者だった期間の標準報酬の2分の1が、請求者に分割されます。

年金分割の手続き方法

年金分割を行うには、いくつかのステップを踏む必要があります。正確な手続きを理解して、スムーズに進めましょう。

まず、合意分割を行う場合の手続き手順は以下の通りです。

  1. 年金分割のための情報提供の請求:年金事務所に「年金分割のための情報提供」の請求をします。
  2. 年金分割のための情報通知書交付:年金事務所から「年金分割のための情報通知書」が交付されます。
  3. 当事者間の話し合い:年金分割の請求を行うこと、割合について当事者間で話し合います。
  4. 分割割合の合意書の作成:当事者間の話合いにより合意したときは、年金事務所の所定用紙「分割割合の合意書」に分割割合を記入し、署名・押印します。または、公正証書などで分割割合を定めます。(年金事務所の所定用紙「分割割合の合意書」を使えば、公証役場の手続きは不要です。)
  5. 当事者間の話し合いにより合意できないとき:当事者間の話合いにより合意できないときは、家庭裁判所の審判または調停の手続によって決定します。
  6. 分割割合の合意書を届出:年金事務所に元夫・元妻の2人が出向いて「分割割合の合意書」を届出します。同時に、「年金分割の請求」を行います。本人が出向くことができないときは、委任状により代理人が出向くことができます。
  7. 保険料納付記録の改定:当事者2人の保険料納付記録が改定されます。
  8. 「標準報酬改定通知書」の交付:年金事務所から「標準報酬改定通知書」が交付され、手続きが完了となります。

3号分割の場合は、合意分割よりも手続きが簡略化されています。

  1. 年金分割のための情報通知書の請求:年金事務所に「年金分割のための情報通知書交付請求書」を提出します。
  2. 3号分割請求書の提出:情報通知書を受け取ったら、「3号分割請求書」を年金事務所に提出します。
  3. 標準報酬決定通知書を受け取る:年金事務所から「標準報酬決定通知書」を受け取り、手続きが完了します。

3号分割の場合は、相手方の同意は不要で、公正証書等の書類も必要ありません。

年金分割の請求期限に注意

年金分割の請求には期限があります。離婚した日の翌日から起算して2年以内に請求する必要があります。

この期限を過ぎると年金分割を請求できなくなりますので、必ず期限内に手続きを完了させましょう。

年金分割と財産分与の関係

年金分割と財産分与は別の制度です。財産分与の中で年金についても考慮するケースもありますが、法的には別の手続きとなります。

両方の制度を利用する場合は、それぞれの特性を理解し、適切に活用することが大切です。

まとめ

年金分割は、離婚したからといって自動的に行われるものではありません。手続きは離婚後でも可能ですが、相手が応じてくれない可能性もあるため、離婚前に必ず話し合い、手続きするようにしましょう。