結婚が決まり、新しい人生への第一歩を踏み出そうとしているお二人にとって、これからの生活は希望に満ちているでしょう。結婚式の準備や新居の準備など、やることがたくさんあって忙しい毎日かと思います。
ただ、結婚は法的にも大きな変化をもたらすライフイベントです。愛情だけでは解決できない現実的な問題もあるため、事前に知っておくべき法的なポイントがいくつかあります。
今回は行政書士として多くのご夫婦をサポートしてきた経験から、結婚前に準備しておきたい法的な手続きや注意点について分かりやすく解説します。これらを事前に整理しておくことで、結婚後のトラブルを未然に防ぎ、より安心して新生活をスタートできるはずです。
まず押さえておきたい「お金」の話
結婚で一番ややこしくなるのが、実は「お金」の問題です。
結婚前の財産は基本的に「個人のもの」
まず知っておいてほしいのは、結婚前に持っていた財産は原則として「特有財産」と呼ばれ、個人の財産として扱われることです。
具体的には以下のようなものです。
- 結婚前の預貯金
- 結婚前に購入した不動産
- 結婚前から持っている株式や投資信託
- 結婚前から経営している事業
- 親から相続した財産
「え、結婚したら全部共有じゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はそうではないんです。
結婚後に二人で築く財産は「共有財産」
一方で、結婚後に夫婦が協力して築いた財産は「共有財産」となります。たとえば、以下のようなものです。
- 夫婦の収入で購入したマイホーム
- 結婚後の預貯金
- 夫婦で協力して増やした投資
- 結婚後に購入した車や家具
相続権が発生することも忘れずに
結婚すると、配偶者には法定相続権が発生します。これは離婚しない限り続くので、遺言書の作成なども将来的には考えておく必要があります。
親族関係も実は複雑です
結婚すると、お互いの家族との関係も法的に変わってきます。
姻族関係の発生
配偶者の両親とは「姻族関係」という法的な関係になります。これにより、場合によっては扶養義務が発生することもあります。「えっ、そんなの聞いてない!」となる前に、知っておいた方が良いでしょう。
将来の介護問題
お互いの両親が高齢になった時の介護については、法的な義務はなくても現実的な問題として向き合う必要があります。「誰が面倒を見るのか」「費用はどうするのか」など、デリケートな問題ですが、早めに話し合っておくことが大切です。
結婚前に話し合っておきたいこと
法的な手続きも大事ですが、実は一番大切なのは「二人でしっかり話し合うこと」かもしれません。
お金の管理、どうする?
- 共働きするの?それとも専業主婦(主夫)?
- 家計はどうやって管理する?(お小遣い制?完全分担?)
- 生活費の負担はどのくらいずつ?
- 将来のための貯金はどうやって作る?
結婚してから「え、そういう考えだったの?」となっても取り返しがつかないことが多いため、入籍前に話し合っておきましょう。
子どもについて
- 子どもは欲しい?何人くらい?
- 子育てはどんな風にしたい?
- 教育にはどのくらいお金をかける?
- 仕事と育児、どうバランスを取る?
これも重要な話題ですね。価値観の違いが出やすいところでもあります。
家族との付き合い方
- 両親とは同居する?近くに住む?
- 親戚づきあいはどの程度する?
- 将来の介護はどう考える?
- お正月やお盆の過ごし方は?
意外と「当たり前」だと思っていることが、相手にとっては「当たり前」じゃないこともあります。
仕事とライフスタイル
- お互いのキャリアをどう大切にする?
- 転勤があったらどうする?
- 趣味の時間はどのくらい確保する?
- 理想の住まいは?
仕事に対する価値観も、結婚後の夫婦関係に大きく影響を与えます。初めからお互いの意思確認をしておく方が安心ですね。
まとめ
特に大切なのは、お二人でしっかり話し合うことです。お金のこと、将来のこと、家族のこと…恥ずかしがらずに本音で話し合ってください。今話し合っておけば、結婚後に「価値観が違った」という問題を避けられます。
最近では「婚前契約書」を作成するカップルも増えています。これは「離婚前提」ではなく、「お互いの価値観を確認し、より良い結婚生活を送るための準備」として捉えられています。興味がある方は、一つの選択肢として検討してみてください。
結婚は人生の大きな節目です。愛情があれば乗り越えられることがほとんどですが、事前の準備があれば安心して新生活をスタートできます。
「こういう場合は法的にどうなるのだろう?」等ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。



